チョコレートの味に涙した日
ある日、何気なく息子と食べたチョコレートで、ふと涙が出そうになりました。
ああ、こんなにも甘くて、温かい時間があったのかと。
若いころは、もっと大きな夢を追っていた気がします。
でも今は、小さな「ありがたさ」に、心が震えることがあるのです。
「人生で本当に大切なもの」って、いったい何なのでしょうか?
この記事では、50代後半の私が60歳を目前にして感じる思いや、気づいたことを綴っていきます。
共感や、ちょっとした気づきにつながればうれしいです。
「本当に大切なものが見えなくなる瞬間」
気づけば、人生の折り返し地点はとうに過ぎていました。
仕事、出世、収入、プライド——。
それなりにがんばって、手に入れたものもありました。
でもあるとき、こう思ったのです。
「これって、本当に欲しかったものだったのか?」
離婚を経験し、一人暮らしになったとき。
がらんとした部屋で、ひとり鍋をつついていた自分に問いかけました。
- 誰のために、こんなに頑張っていたのか?
- どうして、こんなに疲れているのか?
- 何が「幸せ」だったのか?
本当に大切なものは、忙しさや体裁の中に、埋もれて見えなくなっていたのかもしれません。
「これからの人生に必要な3つの問い」

私は、ある日ふと「人生の棚卸し」を始めました。
ノートを広げ、以下の3つの問いに答えてみたのです。
- いま、誰と過ごしたいか?
- どんな瞬間に心が動いたか?
- 自分が消えても残したいものは何か?
すると、これまでの価値観がガラリと変わった気がしました。
家族と一緒に食べたカレーの味。
子どもの寝息を聞いている静かな夜。
ふざけあって笑った旅先の一枚の写真。
「かけがえのない時間」こそが、人生の本質だったのです。
人生を変える、小さなアクション
では、どうすれば「本当に大切なもの」を見失わずにいられるのでしょうか?
これは私自身が日々意識していることですが、こんな3つの行動が役立ちます。
- 毎日、「ありがとう」を口に出す
たとえ小さなことでも、感謝を声にすることで、心が豊かになります。 - 一日5分、スマホを置いて空を見上げる
情報ではなく、感覚に目を向けることで「今、ここ」に気づけます。 - 週に1回、自分だけのノートを書く
心の声を書き出すことで、内なる自分との対話ができます。
これらの行動は、誰にでもできて、すぐに始められるものばかりです。
それだけで、人生の質がガラッと変わることもありますよ。
共に老いていく、という希望
私には今、幼稚園に通う息子がいます。
年齢を考えれば、「おじいちゃんパパ」です。
でも、この歳になって、子どもを授かったからこそ、気づけたこともたくさんあります。
「一緒にお風呂に入れるのも、あと何年だろう?」
そう思うと、毎日のひとつひとつが、宝物のように感じられるのです。
若いころのように、時間を無駄に使うことが、もったいなくなりました。
家族と一緒に、笑って、泣いて、旅をして。
それだけで、人生はもう、十分すぎるほど豊かです。
忘れがちな「幸せの前提条件」
大切なものに気づくためには、「安心」や「健康」も欠かせません。
- 無理しない働き方
- 規則正しい睡眠
- ゆるやかな人間関係
これらは地味ですが、幸せの土台になるものです。
特に50代を過ぎると、「心と体のメンテナンス」が大切になります。
若いころは多少無理もできましたが、今は「倒れない工夫」が最優先です。
これからを生きる、理想の未来とは?
私は今、ひとつの夢を持っています。
家族で世界遺産をめぐる旅をすることです。
「この石畳、パパの足より古いね」
「この建物、2000年前ってすごくない?」
そんな会話をしながら、いろんな文化を見て、感じて、味わいたい。
「人生は旅だ」とよく言いますが、実際に旅することで、人生をより深く実感できると思うのです。
歳を重ねたからこそ味わえる感動。
それを家族と共有できるのなら、それ以上の幸せはありません。
あなたにとって「大切なもの」とは?
人生の終わりに、誰しもが振り返ることがあります。
「もっと○○しておけばよかった」
では、今のあなたが、将来そう言わないために、今日できることは何でしょうか?
- 何気ない一言を、大切にしてみる
- 忙しさの中に、余白をつくってみる
- ひとつ、心が動いた瞬間を記録してみる
今この瞬間も、もう二度と来ない貴重な「今」なのです。
人生の残り時間は、まだまだあるようで、そう多くはありません。
だからこそ、本当に大切なものに気づいて、生きていく。
その一歩を、あなたも一緒に踏み出してみませんか?
