離れていても、親は親のままでいい
離れて暮らす子どもとの関係、
「このまま疎遠になっていくのかな」と、
ふと心細くなることはありませんか?
大きくなった子どもが自立して、遠くの街で暮らす。
あるいは再婚や転勤などで自然と距離ができた。
そんな親子関係の変化は、多くの人が経験することです。
でも、物理的な距離ができたからといって、
心のつながりまで切れてしまう必要はありません。
大事なのは「関係をつなげようとする意思」。
少しの工夫と気持ちで、親子の絆は何歳になっても続いていきます。
距離が生む「心の壁」と、その正体
離れて暮らすことで生まれるのは、距離だけではありません。
話す機会が減り、お互いの生活が見えにくくなると、
自然と「気を使いすぎて連絡が取りにくい」という
“心の壁”ができてしまいます。
特に50代以降になると、
「元気にしてるかな」「迷惑じゃないかな」と思うあまり、
連絡を遠慮してしまう親御さんも多いもの。
でも、実は子ども側も
「親に連絡したいけど、忙しいかな」「何を話したらいいかわからない」と、
同じように悩んでいる場合も少なくありません。
子どもと心の距離を縮める3つのヒント
それでは、離れて暮らす親ができることとは何でしょうか?
●「用事がなくても」連絡をする
子どもとのやりとり、
何か理由がなければいけないと思っていませんか?
でも実は、何気ないひと言がうれしいものです。
- 「今日は近所の桜が満開だったよ」
- 「テレビで◯◯を観て、あなたを思い出した」
- 「最近こんなご飯を作ってみた」
こんなひとことLINEでも、
心がふっと温かくなるのが親子です。
●一方通行にならない工夫をする
送りっぱなしの連絡は、相手のプレッシャーになることも。
そんなときは「返信不要」のひと言を添えると気がラクになります。
- 「読んでくれるだけでうれしいよ」
- 「返事いらないからね~」
この一言があるだけで、
気軽に受け取ってもらえるようになりますよ。
●共通の「話題」を作る
共通の趣味や話題があると、
自然と会話が生まれやすくなります。
たとえば、
- おすすめの本や映画
- 健康の話題(黒酢やストレッチなど)
- 家族旅行の思い出話
「この間、あなたが好きだったアニメの映画、観てみたよ」
なんて話せば、そこから会話が広がります。
離れて住む娘たちとの関係
私自身、離婚を経験し、
前妻とのあいだに成人した娘が2人います。
普段は別々に暮らしていて、なかなか会う機会もないのですが、
月に1回だけ、自分から連絡を入れるようにしています。
最初は返事が来ないこともありました。
でも、誕生日にささやかなギフトを贈ったり、
昔の写真を添えてLINEしたりするうちに、
少しずつ返事が増えていきました。
ある日、娘から「パパ、たまに連絡くれるの、うれしいよ」と言われたとき、
本当に救われた気持ちになったのを今でも覚えています。
さらに関係を深める工夫

●手紙を書いてみる
LINEや電話もいいですが、
ときには手書きの手紙が新鮮な感動を生むこともあります。 文字に気持ちがこもるからこそ、
いつまでも取っておきたくなるものです。
●「孫との交流」をきっかけにする
もしお孫さんがいる場合は、
「○○くん、好きなアニメ何かな?」「お絵かき送ってみて」など、
孫との交流が、自然と親との関係も深めてくれます。
●オンラインの力を借りる
最近では、ビデオ通話や、家族だけのSNSアルバムなど、
便利なツールがたくさんあります。
苦手意識があっても、「教えてほしいな」と素直に頼る勇気があれば、
新しい関係づくりの一歩になります。
離れていても、親は「安心の場」でいられる
大人になった子どもに、
親として何ができるのか。
それは「心の居場所」をつくってあげることだと思います。
連絡がなくても、会えなくても、
「いつでも受け入れてくれる存在」がいるというのは、
どんなに心強いことでしょうか。
子どもと離れて暮らしていても、
あなたが変わらずそこにいてくれることが、
一番の安心なのです。
今できることから始めてみませんか?
この記事を読んで、
「久しぶりに連絡してみようかな」と思ったあなた。
それが素晴らしい一歩です。
一通のLINE、一本の電話、ちょっとした写真。
小さなことからで大丈夫です。
そして、いつかまた一緒に笑える時間が増えていくといいですね。
